◆老子小話 VOL
717(2014.08.09配信)
The world is a dangerous place to live;
not because of the people who are evil,
but because of the people who don’t do anything about it.
(Albert
Einstein)
世界は生きるのに危険な場所となる。
邪悪な人々によってではなく、
世界のために何もしない人々によって。
今日は、長崎に原爆が投下された日です。
人類史で2度と起こってはいけないのは、
原爆投下でしょう。
ユダヤ人虐殺のような大量殺戮は、カンボジアや
ルアンダで繰り返されますが、核兵器の使用は
後にも先にも、日本での2回の投下だけです。
科学が人類の発展に寄与することを夢見て
科学者は日夜研究するのですが、政治家が科学を
人類を滅ぼす道具に使ったのが原爆です。
威嚇のために使えばよいものを、人体実験をして
現場で威力を確かめ、さらに威力を世界に
知らしめるのが政治家の目的となりました。
そのきっかけを与えたのが、アインシュタインが
米ルーズベルト大統領に宛てた原爆製造の進言の手紙でした。
そして落とされたのは、戦場ではなく市民都市でした。
死の直前、人生最大の失策はこの手紙だったと
アインシュタインは後悔しています。
原爆の恐ろしさを世界に訴えていくのは、
日本人の人類に対する義務といえます。
人間の愚かさを繰り返さないように、
被爆の遺産を後世に伝えていかねばなりません。
“The difference between stupidity and genius is
that genius has its limits.”
という彼の言葉で締めくくりたいと思います。
「天才と愚かさの違いは、天才には限界があること。」
裏返せば、人間の愚かさには際限がないということです。
有無相生