老子小話 VOL 716(2014.08.02配信)

Effort x Time = Constant

 (Edwards’Time/Effort Law, Murphy’s Law)

 

今回はマーフィの法則からお届けします。

努力掛ける時間は一定になる法則です。

時間がなければ、最大限の努力をするし、

時間があれば、努力を先延ばしにする。

身近では、テストが明日に迫ったとき、最大限の努力ができます。

普段怠け者でも、こんなに集中して勉強できるのかと驚く始末。

逆に、遠い先の目標を決めても、最初は努力を怠ります。

人間の集中力は長くは続かないというのが根ざす原因です。

従って、今日一日の目標を決めて一歩前進するのが、

賢明な仕事の進め方といえます。

残業があると思えば、定時はそれなりの努力で済ますのは一理あります。

一方、ノー残業にして業務時間を制限して、その中で努力して効率を上げて

仕事をさせようとする経営者の気持ちもわかります。

しかし、我々労働者は、時給を上げるのが最大目標です。

そのため、仕事の対価(給料)を増し、かける時間を減らそうと努力する。

最近話題の裁量労働制は、効率アップの意味で効果的といえます。

ただし時間をかけずに退社すると、経営者は、効率を上げた結果と評価せず、

仕事が易しいためと考え、対価(年棒)を減らす傾向があります。

つまり、努力を増した分時間が減るという、この法則の帰結と考えず、

左辺のConstant(定数)も同時に減っていると考える傾向があるわけです。

悲しいかな、給料は定数に比例するので、労働者は努力をほどほどにして

時間をたっぷり掛け、給料を増やそうとするわけです。

この法則に欠けているのは、お金の因子がないことです。

裁量労働制が機能するのは、給料が努力に比例する場合です。

努力は時間に関係なく、効率をあげるための努力を意味します。

効率アップの人の給料を上げれば、その人はもっと効率を上げようとします。

しかし悲しいことに、この努力を評価する方法がないことです。

だから、効率アップしてもしなくても均等に給料を支払い、残業した人には

さらに成果を上げたとみなして残業代を払うという簡単な方法がとられます。

この法則を残業に絡めてばかりいると気が重くなるので、老荘的に

もうすこし大局的な見地から考えて話を終えたいと思います。

努力とは気が張り詰めた状況で、そんな緊張は長続きしません。

努力はほどほどに、肩の力を抜いて周囲を見渡し、長生きして

この自然界のなりわいを見ていくこともできます。

これが、この法則の老荘的な意味になると思います。

そのとき、左辺のConstant(定数)は「道」になってきませんか。

 

有無相生

 

 

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