◆老子小話 VOL
697 (2014.03.22配信)
歳月は本長くして、
忙しき者自ら促す。
(菜根譚)
24時間は誰にとっても24時間だが、
時間の感覚はひとそれぞれである。
仕事に身が入らないひとは、時間が経つのが遅い。
ゲームに夢中のひとは、時間はあっという間に過ぎる。
「歳月は元来悠久であるが、
気ぜわしいものは、自らをせきたてて短くする。」
旅行に出かける場合を考える。
パック旅行で、あちらこちらを分刻みで駆け巡り、
短期間でとにかくいろんな名所を見て回る。
忙しい旅をしたのであるが、滞在時間が短いものだから、
何を見たのかあとでよく思い出せない。
一方、ゆっくりと一ヶ所に滞在して、
自分の足で、その地の自然と文化を巡り、
自分の目と耳で確かめる旅をする。
こちらは、パック旅行より時間もお金もかかる。
そもそもどこをまわるか自分で計画を立てねばならない。
道に迷ったり、言葉が通じなかったり、いろんなハプニングが起こる。
でも、そのときの感動と思い出はいつまでも記憶に残る。
時間がないといつも言っている人は、
時間の使い方を見直してみてはいかがでしょうか?
効率を考える前に、何に重きを置くかで時間の使い方は変わる。
自分の五感を駆使して、身の回りの出来事から何かを学ぶほうが、
バーチャルな世界で見せかけの情報を拾って学んだ気になるより、
時間を有意義に過ごせるでしょう。
無駄や失敗は多くても、そのたびに後で活きる知恵がついてきます。
有無相生