◆老子小話 VOL
691 (2014.02.08配信)
其の来たらざることを恃むこと無く
吾れの以って待つ有ることを恃むなり。
(孫子)
「孫子」より戦争の原則のお言葉です。
平和の今なら、地震などの災害が戦争にあたります。
地震がやって来ないことをあてにするのではなく、
地震がいつやって来てもよいように備えたものを頼みにする。
国防なら、敵が攻撃しないことを頼りにするのではなく、
攻撃されたとき、防衛できるような備えを頼りにする。
マーフィの法則にもあります。
If anything can go wrong, it will.
「悪くなりえるものがあるなら、必ず悪くなる。」
3.11大震災以来余震が続いていますが、
たまった地震エネルギーはいつか放出されます。
科学は地震がいつ起こるか予測はできません。
死への準備も同じです。
普段は、死がやってこないことを頼りに、
日々の生活を送っています。
しかし、死は明日訪れるかもしれません。
そうなっても慌てないように、備えをしていれば、
落ち着いて対処できます。
孫子の時代は、下克上の戦国時代です。
いくさで負ければ、死が待っています。
生き残るために、誰と手を組むか、
常に用意しておくことが求められます。
「軍師官兵衛」を見ていると、「孫子」が度々出てきます。
軍師は、危機が来ないことを願うのではなく、
危機への備えで心の沈着を保ち、冷静に戦略を練る。
孫子の言葉は今の我々にも生きています。
有無相生