老子小話 VOL 689 (2014.01.25配信)

生活はすべて次の二つから成立っている。

したいけれど、できない。

できるけど、したくない。

 (ゲーテ)

 

「ゲーテ格言集」という文庫本からひとつ。

意味深な言葉です。

目標はあるが、まだ実現する能力はない。

これが、「したいけれど、できない」状態。

一方、する能力はあるが、目標以下なのでやる気がおきない。

これが、「できるけど、したくない」状態。

能力と理想がマッチすれば一番よいでしょうが

なかなかうまく行かない。

それに、能力が目標に達すると更に上の目標に向かいたくなる。

マー君がメジャーに行くのもその一つ。

凡人のわれわれは、

「したくなくても、やらざるを得ない」

の日常をおくります。

目標のない人生ははりあいがないので、

何を目標にするか考え始めます。

ゲーテは、別のところで、

「欲し且なし得るが、何をすべきか知らない」

とつぶやく。

意志があり能力があっても、目標がわからない。

そこで彼はよきアドバイスをくれている。

「われわれは結局何を目指すべきか?

世の中を知り、これを軽蔑しないことだ。」

わかっているようでわかっていないのが世の中。

腹の立つことも多いが、まんざら捨てたもんじゃない。

足を挟まれた女性客を救おうと、力合わせて電車を動かした乗客。

いざというとき、何をすべきかわかる。

これができれば、人生救われる。

 

有無相生

 

 

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