老子小話 VOL 684 (2013.12.21配信)

父母の年は知らざるべからず。

一は則ち以って喜び、

一は則ち以って懼る。

(論語、里仁第四)

 

昔は、元旦を迎えるたびに誰もが一歳を加えました。

新年を迎える気持ちが今とは違ったと思います。

孔子先生は親には孝行すべしと言いますが、

孝行しているかどうかは別にして、

親の年齢は知っていなければいけないというのは

正しいといえるでしょう。

理由は、ひとつは長生きを喜び、

もうひとつは老い先を気づかうからである。

父母から自分が生まれたわけですから、

生んでくれたことに感謝する気持ちは自然です。

その親の長生きを願うのは、親かどうか別にしても、

ひとにその人生を全うしてほしいのは、

思いやりというか慈悲のこころから来るものです。

自分が老いたとき、ひとから長生きを喜ばれるのは

生きる力につながります。

また、老いて体や思うように動かなくなり、

家に閉じこもりがちになるのを、周りから声をかけてもらい、

気づかってもらうのは日々の救いとなることでしょう。

子供にとって一番の親孝行は、健康な姿を親に見せ、

親よりも長生きすることだと思います。

親と子の関係は伝承します。

子は親が祖父母にどう付き合っているかを見ています。

親が老いたとき、子はかつて見た親の祖父母への扱いを

繰り返します。

論語の言葉は、高齢化社会に優しい教えに見えてきました。

 

有無相生

 

 

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