老子小話 VOL 676 (2013.10.26配信)

寿命を延ばすにはカロリー制限がいい。

大腸菌からサルに至るまで、

すべての生物で食べる量を減らしてやると

寿命が延びる。

(石浦章一、「サルの小指はなぜヒトより長いのか」)

 

長たらしいタイトルですが、内容は面白い。

東大の先生の人気講義本だそうです。

その中で、誰もが関心のある言葉をお届けします。

説得力があるのは、微生物から哺乳類まで、

えさを減らして育て検証されたことです。

といっても、人間の寿命は長いので検証結果はまだで、

寿命3年のマウスが4年生きたそうです。

カロリー制限は、今の食事量の7割にする程度です。

そういえば昔から「腹八分目」がいいと言われています。

そんな言い伝えが科学で検証されつつあるようです。

インスリンが寿命に効いているのだそうで、

それをうまく調節できれば長生きできるかもしれない。

カロリー制限しすぎて、拒食症になっては命を縮めます。

老子第33章に、「足るを知る者は富む」とあります。

ほどほどで満足することが、すべてを豊かにしてくれる。

分をわきまえずに度を超えるとしっぺがしを食らう。

生き物のからだというのは、「足るを知る」機構になっていて、

食べ過ぎて血糖値が高くなり、インスリン分泌に負担をかけると、

臓器の機能が衰えてくる。

筋肉の場合は負荷をかければ強くなりますが、

インスリンの場合は負荷を減らすと機能が増強されるのでしょうか?

そこら辺は今後の研究を待つことにしましょう。

長生きするのに薬を飲んで挑むのではなく、

普段の食事と適度な運動でからだの機能を変えていって、

結果として長生きできれば最高じゃないでしょうか。

 

有無相生

 

 

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