老子小話 VOL 666 (2013.08.17配信)

生きる歓びとは、

払った金にふさわしい楽しみを確保し、

それだけの価値のある楽しみを

見きわめることにある。

(ヘミングウェイ、「日はまた昇る」)

 

「日はまた昇る」というタイトルは、

何となく勇気を与える言葉です。

「日出ずる国」はわが国のことですが、

敗戦でいったん沈んでもまた復活する。

3.11に原発事故で打ちひしがれても

少しずつ立ち直っていく。

カネが人生のすべてじゃないけれど、

この世は価値交換で成り立っており、

カネという価値を、生きるために必要な物(価値)

と交換することで皆生きている。

カネだけ貯めて交換しない人は、

楽しみを知る前にこの世を去る。

最良の生き方は、楽しみのために手元のカネ(価値)を

使い切ってこの世を去ることである。

ヘミングウェイは、「いかに生きるかがわかれば

人生の意義も見えてくるだろう」といっている。

沢山カネを使ってもわずかな楽しみしか見出せない人もいる。

わずかなカネでも尽きない楽しみを見出す人もいる。

「いかに生きるか」は「いかに楽しむか」に置き換えられる。

カネは道具であり、楽しむために節約して蓄える。

どのように楽しむかの構想を持つのが先決である。

楽しむことにも時間をとられるし、カネを稼ぐにも時間をとられる。

限られた時間の中で、どのような価値交換を繰り返し、

楽しみを実現していくかが人生の意義なのかもしれない。

 

有無相生

 

 

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