◆老子小話 VOL
656 (2013.06.08配信)
らせんは、生命をはじめとする
万物の形象の原形だ。
(布施英利、「構図がわかれば絵画がわかる」)
布施英利氏が芸大の学生だったころ、
生物学を教えていた三木先生の言葉である。
身近ではまめのつる、体内の腸も渦巻く。
遺伝子のDNAも二重らせん。
宇宙の星雲もらせんに渦巻いている。
最近話題の竜巻も、らせんの空気の流れ。
宇宙は膨張しているので、地球が太陽の周りを
公転していても、決して同じ位置には戻れない。
人間の骨格の基本の脊柱も、肋骨のカーブも
筋肉の付着もらせんだそうです。
人間の歴史も、子が成長して親となり、
子を産んで死に、その子がまた親となる、
という繰り返しですが、らせんのように
その骨格は変化し、文明も変化していく。
原点に戻す力と位置をずらそうとする力の両方が及ぶため、
円運動にならずにらせんを描くようになる。
何も変化しないと時間は止まったように見える。
しかし、自然にはずらそうとする力が常に働いていて、
一見無変化に見えても、変化の兆しを宿している。
このずらす力の一つが重力であり、重力に対抗するように
人間の骨格も進化を遂げてきた。
進化の積み重ねがらせんに現れてきたように思えます。
周期運動により常に基本に戻りながら少しずつ前進していく。
それが、Taoの戦略のようです。
有無相生