老子小話 VOL 650 (2013.04.27配信)

礼儀作法とかマナーとかいうものは、

知っていてもそれを行わないところに

妙諦がある。

(山口瞳、「礼儀作法入門」)

 

礼儀とかマナーに自信がないので、

紐解くことにした。

なかなか面白い本(新潮文庫)である。

めんどくさいマナーを説教されるかと思いきや、

「美しいことが正しいことである」

と結論をずばっと言ってくれる。

更に、マナーに通じていて常に実行する人は

いやみたらしく、知っていてもあるときは

それを行わないところに、個性や人柄が出ると

まで言ってくれる。

そもそもマナーの発祥は、ひとびとの所作の中で

美しい所作と普遍的に評価を受けた所作が

淘汰され残ったものといえる。

マナーに囚われるといやみになるが、

マナーが板につくと、それを崩す独自のマナーで

一期一会を楽しむことができる。

これが山口瞳氏のマナー入門で学んだことである。

肩肘はらずに、何が美しく見えるかで動いていれば、

自然とマナーが身につく。

なぜか救われた気分にさせてくれる本である。

 

有無相生

 

 

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