◆老子小話 VOL
643 (2013.03.09配信)
人は偶然にすべてを賭ける勝負事が気に入っている。
思い切って決断することができるからだ。
(アラン、幸福論)
アベノミクスで世の中が変わろうとしている。
円安が進み、企業の収益が上向き、
日本が元気になりつつある。
政権が変わってこうも変化が現れるとは
誰も思わなかったに違いない。
安倍首相の思い切りの良さが功を奏したかに見える。
今回の言葉は、「幸福論」(岩波文庫)の
「決断拒否」に現れる。
人は頭の中でああだこうだ考えるのが好きである。
議論はするが、何も行動しない。
言い換えれば、何も決断せず元のままを保つ。
前政権は船頭が多すぎて船が山に登った感がある。
平和なときは、現状維持が一番楽である。
しかし、未来に不安や危機が迫るとき、
思い切って決断し、いちかばちか行動して
未来を選択するリーダーが望まれる。
それが今の首相なのであろう。
アインシュタインは、「神はサイコロを振らない」
といったが、それは人間の思い上がりである。
「神はサイコロを振る」という前提で生きるから
未来が開けるのである。
ただ待つだけでは、未来はやって来ない。
有無相生