老子小話 VOL 634 (2013.01.05配信)

夢よりも現(うつつ)の鷹ぞ頼もしき

(芭蕉)

 

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。

「一富士二鷹三茄子」といいますが、

皆様はどんな初夢を見ましたか?

芭蕉は夢よりも、実際の鷹の方が

ずっと頼もしいといっています。

夢の中で身を案じているより

実際に気になる人と会って、

安否を確かめる方が確かである。

伊良湖崎に住んでいた杜国を訪ねて

無事を確かめ合った喜びを芭蕉は詠っています。

今の世の中、メールやケータイなど、

通信手段はいくらでもありますが、

実際に会って言葉を交わしてこそ、想いが伝わります。

「頼もしき」の中に芭蕉の実感が籠もります。

親交の基本は、実際に会って考えを伝えることです。

相手を知ることで、信頼が生まれます。

知るには、言葉だけでなく、

それを発するときの表情を見る必要があります。

外交も同じで、相手の首相に会って

真意を知るところから関係が構築されます。

夢はビジョンであり、ビジョンは政策に反映されます。

政策がどのように「現の鷹」を生んだのか、

新政権の真価が問われる一年です。

 

有無相生

 

 

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