◆老子小話 VOL
633 (2012.12.29配信)
一範人之形而猶喜、若人者、
千変万化、而未始有極也。
(淮南子)
ひとたび、人の形を範せられて
猶喜ぶも、人の若き者は、
千変万化して、
未だ始めより極まり有らざるなり。
今年最後のお届けです。
この一年、御愛顧いただき、厚く御礼申し上げます。
「たまたま人の形になって生まれてきたのを
ひとびとは喜んでいるけれども、
人の形というものは、他のものへ千変万化して、
決してとどまる事を知らない。」
輪廻転生と言いましょうか、
道は、万物を造っては壊し造っては壊し、
無から有、有から無の変転を繰り返すという
世界観からみれば、変化のありように
無限の楽しみがある。
人類の始まりは生命の始まりに遡り、
生命の始まりは地球の始まりに遡り、
地球の始まりは宇宙の始まりに遡る。
そのどれもが同じ形にとどまったものはない。
悠久の時間の中で、一瞬といえる人生で、
勝った負けたで一喜一憂するのは愚かなこと。
どのように時間を共有して変化を楽しむかが、
ほんとの生きる幸せというものでしょう。
景気や福祉もありますが、心が暖まる施策が
何よりも求められます。
では、よいお年を。
有無相生