老子小話 VOL 629 (2012.12.01配信)

働けど働けどあかぎれの手に笑顔

(北本極子)

 

この季節になると、あかぎれに悩まされます。

手にも足にもできてひび割れから肉がのぞきます。

あかぎれに関する句はないものか検索したところ、

北本極子氏のこの句に出会いました。

なかなかよい句ですね。

おかあさんの思い出は、やはりあかぎれの手でしょう。

家族のために水仕事して、手にあかぎれができますが、

沁みても笑顔を絶やさない。

そんな優しいおかあさんの顔を思い浮かべます。

「働けど働けど」暮らしは楽にならないと

歌ったのは啄木ですが、こちらはぼやかずに

笑顔であかぎれの手をじっと見る。

からだをすり減らす労働ですが、

働いている証が、あかぎれともいえるわけです。

私も、踵にあかぎれができて、

歩くたびにしかめっ面しています。

でも、この句に出会いちょっと癒されています。

乾燥肌には苦しい冬ですが、

苦しくても笑顔が周りを明るくすることを

教えてくれました。

 

有無相生

 

 

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