◆老子小話 VOL
629 (2012.12.01配信)
働けど働けどあかぎれの手に笑顔
(北本極子)
この季節になると、あかぎれに悩まされます。
手にも足にもできてひび割れから肉がのぞきます。
あかぎれに関する句はないものか検索したところ、
北本極子氏のこの句に出会いました。
なかなかよい句ですね。
おかあさんの思い出は、やはりあかぎれの手でしょう。
家族のために水仕事して、手にあかぎれができますが、
沁みても笑顔を絶やさない。
そんな優しいおかあさんの顔を思い浮かべます。
「働けど働けど」暮らしは楽にならないと
歌ったのは啄木ですが、こちらはぼやかずに
笑顔であかぎれの手をじっと見る。
からだをすり減らす労働ですが、
働いている証が、あかぎれともいえるわけです。
私も、踵にあかぎれができて、
歩くたびにしかめっ面しています。
でも、この句に出会いちょっと癒されています。
乾燥肌には苦しい冬ですが、
苦しくても笑顔が周りを明るくすることを
教えてくれました。
有無相生