◆老子小話 VOL
628 (2012.11.24配信)
ひとは説明のついたはっきりしたことよりも
まだ説明のつかないぼんやりしたことの方が
一層大切なことだと思う。
(ニーチェ、ただひとりいる人間)
年末に選挙という事態になって、
議員さんは慌しい活動を続けている。
景気回復の対策として特効薬のような
施策をアピールする演説を聞くと、
そんな簡単に経済が割り切れるものか
と思ってしまう。
評論家は今までダメだった理由を
はっきり説明しようとする。
ニーチェは、過去を上手く説明するより、
説明のつかないぼんやりした未来を
庶民は大切にするという。
立候補の政治家には、そういった庶民の心情を慮り、
日本の未来図を説明して欲しい。
はっきり言えば、未来の日本を救えるのは、
これから大人になる若者以外にない。
今の大人は、未来の世代に対し負債を残さないように
今を乗り切るほかない。
ぼんやりしたことをはっきり説明するほうが
胡散臭く感じられる。
ここが読めないのでこういうリスクを伴いますと
真摯に語るほうがよっぽど信頼が置ける。
もう口八丁の手には乗りませんぞ。
有無相生