◆老子小話 VOL 627 (2012.11.17配信)
廃棄物の問題が
どうしても解決できなくなったときこそ、
人類は本当に
廃棄物を理解したことになる。
(広瀬隆、東京に原発を!)
米スリーマイル島原発のメルトダウン。
旧ソ連のチェルノブイリ原発のメルトダウン。
そして福島原発のメルトダウン。
稼働中の原発の事故リスクは
技術の進歩で減っていくかもしれません。
しかし、そのリスクがたとえゼロになっても、
放射性廃棄物処理の問題は残ります。
理由は、放射能が消えるのに長時間かかるためです。
そのため、地中に埋めるか海に沈めるかして、
消えるのを待つしかありません。
つまり、今日の電気を得るために、
つけを未来に残し続けるのが
原発ということになります。
廃棄物を入れた容器が保存場所で破損すると、
放射能が水に溶け出し、生態系を汚染し、
最後は人間に戻ってくるわけです。
広瀬氏の本は25年以上前に書かれたものですが、
原発問題の本質を捉えており、
今も問題が先送りされていることがわかります。
都市に必要な電力を損失なく送電するには
都市の近くに原発を置くのが一番よいことです。
原発の安全性を唱える原発推進論者は都市にいますが、
都市に原発を置くことに反対します。
理由は、「安全性」の怖さをよく知っているからです。
原発に対する「無知の知」を語ったのが今回の言葉です。
手遅れにならないようにいたしましょう。
有無相生