老子小話 VOL 626 (2012.11.10配信)

反己者、触事皆成薬石。

尤人者、動念即是戈矛。

(菜根譚)

 

己をかえりみる者は、

事に触れて皆薬石となり、

人をとがむる者は、

念を動かせば、

すなわち是戈矛(かぼう)なり。

 

苦しいときの菜根譚です。

今年もあと僅かとなり、

一年を振返るときの心構えをお届けします。

「自己を反省する者は、何事に触れても良薬になるが、

他人を批判する者は、心を動かせば、

自己を傷つける矛になる。」

歴史認識は、自分が過去を反省して初めて未来に活きる。

歴史認識で他人(他国)を責める者は、

巡り巡って自分を傷つける矛となる。

過去にこだわっていると未来は拓けません。

でも過去を忘れると過ちを繰り返します。

TVで元寇が3度日本を襲う可能性があった

といっていました。

ベトナムの英雄が、元の大軍を撃破したため、

クビライが日本を襲う力を失ったと。

神風が元寇から日本を救ったと歴史で習いましたが、

先人の勇気とベトナムの勝利が幸運にも

日本を救ったというのが歴史認識となります。

鎌倉幕府が元に負けていれば、今頃

日本は中国の領土になっていたかもしれません。

歴史認識は、他人から押し付けられるものではなく、

自分で歴史を解釈するところから始まります。

 

有無相生

 

 

戻る