老子小話 VOL 624 (2012.10.27配信)

肉体的に細胞が治癒していくには、

十分な睡眠を取るのがとても大事。

(ジル・ボルト・テイラー、奇跡の脳)

 

脳卒中を体験した脳科学者が書いた

「奇跡の脳」(新潮文庫)より、

壊れた脳を再生するには睡眠が大事だそうだ。

目覚めている間は絶えず、感覚器官から

大量の情報が取り込まれる。

情報はエネルギーの刺激であり、

刺激をすべて脳に取り込もうとすると

脳は消耗し、再生は進まない。

睡眠は、情報の「ファイルを作成する時間」という。

睡眠を十分取ることで、学習と認知の合間に

情報の流入を遮断し、情報を整理することが

壊れた脳を再生するには欠かせないそうだ。

入力と出力の間に休みを置いて、消化する作業が

睡眠ということになる。

人間の体はうまくできている。

脳のファイルが壊れても、少しずつ再生が行われる。

壊れた直後に体験する「やすらぎ」が、

「いま・ここにいる」を感じる右脳の働きだそうだ。

内なる安らぎを体験するには、

「自分が宇宙の流れの一部と気づくこと」だそうで、

老子の道の「汎として其れ左右すべし」(34章)を

体感するように思えてくる。

とすると、老子は脳科学を先取りした教えかもしれない。

 

有無相生

 

 

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