◆老子小話 VOL 623 (2012.10.20配信)
星座を見つけるということは
物語を作ることにつながっていく。
人生の物語、生きる物語を作る営みだ。
(柳田邦男、「気づき」の力)
柳田氏が、本のなかで、
河合隼雄氏から学んだことを紹介する。
空にはたくさんの星が輝く。
それらの星は、まるで
人生における出来事のように点在する。
個々の出来事が全体のなかでつながって
見えるようになる一瞬がある。
それを河合氏は、「星座を見つける」という。
ぼおっと見てると個々の星だが、
出来事の意味をつなげていくと星座が見えてくる。
小熊座なりみずがめ座なり、自分だけの星座がある。
しかも、星座は見方によって、がらっと変容する。
なるほどと思った。
苦しい思い出だけつなげると苦い星座が、
楽しい思い出だけつなげると甘い星座が見える。
両者をつなげてこそ、本当の意味が見えてくる。
自分の物語は自分しか作れない。
星をみるのは過去をつなげることだけではない。
星座は道しるべとなり、これからどのように進むか
未来像まで見えてくる。
「物語を作る」とはそんなことなのかなあと思った。
秋の夜空の星を眺めながら、
My星座を探してみてはいかがでしょうか。
有無相生