◆老子小話 VOL 609 (2012.07.14配信)

知彼知己者、百戦不殆。

(孫子、謀攻篇)

 

彼を知り己を知れば、

百戦殆からず。

 

余りにも有名な言葉です。

勝負するとき、敵(彼)のことをよく知らなければ

作戦の立てようがありません。

受験のときに、受験先の出題内容を調べて

「傾向と対策」を練るのと同じです。

しかし作戦を成功させるには、自分のレベル(実力)を

認識することも大事です。

いくら相手をよく知ったとしても、

実力が相手の要求レベルに達していなければ、

高望みであり結果は見えています。

ここで、彼を自然の力と、己を人間の力としましょう。

自然の猛威を量って、原発の安全性を検討します。

過去の災害を分析せず自然の力(彼)を甘く見るのは、

過去問を調べずに受験するようなものです。

一方、人間の科学技術の力(己)を過信して

自然に立ち向かうのは、無謀の限りです。

技術レベルが足りなければ、もっと安全な他の発電方式を

選択するのが賢い戦い方です。

米国に対して開戦したときも、彼も己もわからず、

勢いで突入しました。

日本人には、後先考えずに勢いづく傾向があります。

孫子の言葉をもう一度振返りましょう。

 

有無相生

 

 

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