◆老子小話 VOL 596 (2012.04.14配信)

道とは諸を譬うるに水の若し。

溺るる者多くこれを飲まば即ち死し

渇する者適よくこれを飲まば即ち生く

(韓非子、解老篇)

 

韓非子が老子を解釈した言葉です。

「道を譬えると水のようだ」という

韓非子は、人間のありようによって、

道は人間の生死を決めると考えた。

溺れるものは手足をばたばたし、

水の浮力に身をまかせようとしないので、

水を多く飲む結果となる。

脱水症状の者は、わずかの水で蘇生する。

道の作用(エネルギー)の大小で、

生死が決まるのではなく、

人間が窮地にどう対処するかで

道はそれ相応の作用を人間に及ぼす。

原発で電力危機を乗り切るのか、

クリーンエネルギーの移行を急ぐのか、

その選択に対し道は新たな試練を人間に課す。

化石燃料も資源に限りがあり、

核燃料も廃棄や安全性に問題があるとすれば、

太陽光や水や風を利用する自然エネルギー発電が

道にかなう選択となるでしょう。

 

有無相生

 

 

戻る