◆老子小話 VOL 594 (2012.03.31配信)
夫大塊載我以形、労我以生、
佚我以老、息我以死。
(荘子、大宗師篇)
それ大塊は我を載するに形を以ってし、
我を労するに生を以ってし、
我を佚(やす)んずるに老を以ってし、
我を息(いこ)わしむるに死を以ってす。
三月の最後は荘子で締めましょう。
荘子の中でも大宗師篇は自分の人生観を
育んでくれたので、好きな部分です。
「大いなる自然は、
我々を大地に載せるために身体を与え、
我々を労働させるために生を与え、
我々を安楽させるために老いを与え、
我々を休ませるために死を与える。」
自分が生まれたのは、
自然が天地という舞台に自分を登場させるため。
生きているのは、その舞台で働くため。
老いていくのは、安らぎを与えるため。
死ぬのは、労働から解放され休むための退場。
老いて身体が動かなくなるのは、
そんなに無理せずにゆっくり楽しめという
メッセージなのでしょう。
だから死は、大地という舞台で一つの役割を
果たしたあとに贈られる勲章のようなもの。
人生のどの舞台に立っている人でも、
生・労・死を一つの流れでとらえる荘子の言葉は
勇気づけるものといえます。
有無相生