◆老子小話 VOL 581 (2011.12.31配信)
どないしょー、どないしょかなあ、
・・・どないしょォ?
(入江敦彦、イケズの構造)
今年の締めくくりの言葉として
最高の言葉をお届けします。
入江敦彦氏の「イケズの構造」(新潮文庫)の
シェイクスピアのイケズ分析に出てくる、
To
be or not to be; that is the question.
の京都語訳です。
世間で知られた訳は、「生きるべきか死ぬべきか、
それが問題だ」です。
シェイクスピアの面白さは、言葉を曖昧に表現して
いろいろな意味に取れるようにするところにあるそうです。
とすると、京都語の「どないしょー」は全てを表現するので
お届けの絶妙の表現になります。
このままの状態で生きるべきか、どないしょー。
いや、生き方を変えて生きようか、どないしょかなあ。
どっちにすべきか、どないしょォ?
3.11大震災は、生き方のパラダイムを変える契機でした。
何が人生にとって大切かを教えてくれました。
生きる術を失ったとき、生きようとする意志と他者との絆が
自己の生を支えてくれます。
「どないしょー、どないしょかなあ、・・・どないしょォ?」は、
生死に限定せず、今のままのエネルギー消費でいいのか、
政治や政策に期待した生き方でよいのかというように、
個々人が生き方を見直す、自律的な問いかけではないでしょうか。
政治家も官僚は皆、今もって「どないしょー」の連発ですが
先送りの結果、赤字国債は1000兆を超す勢いです。
国民は、いずれインフレが来ることも視野に入れて何をなすべきかを
考えても良い時機になったようです。
有無相生