◆老子小話 VOL 579 (2011.12.17配信)
問祖宗之徳沢、吾身所享者是。
当念其積累之難。
問子孫之福祉、吾身所貽者是。
要思其傾覆之易。
(菜根譚)
祖宗の徳沢を問わば、
吾が身の享くる所のものこれなり。
まさに其の積累の難きをおもうべし。
子孫の福祉を問わば、
吾が身ののこす所のものこれなり。
其の傾覆の易きを思うを要す。
毎年京都清水寺で発表される「今年の漢字」。
2011年は「絆」になりました。
お届けする言葉は、祖先と今を生きる我々との絆、
そして子孫との絆を忘れてはいけないと教えます。
「祖先の恩恵は、今を生きる自分が受けている恩恵である。
長い年月にわたり積み重ねた祖先の苦労を忘れてはいけない。
子孫の幸福は、今の自分が遺そうとする幸福である。
この先の年月の間に、傾き覆りやすいことを思うべきである。」
祖先から受け継いだ土地や海や恩恵を、子孫に伝えていくのが
「絆」を大切にするわれわれの役目であると問いかけています。
自然災害に屈せず、豊かな資源を遺してくれた祖先の苦労。
そして将来の子孫に放射能汚染を残さないために
我々が取るべきクリーン・エネルギーの選択。
時間を超える絆を考え直そうという言葉でした。
有無相生