◆老子小話 VOL 578 (2011.12.10配信)
年月をいかで我が身に送りけむ
昨日の人も今日はなき世に
(西行)
定年近くなると、人生この先どう生きようか
と誰しも考えるようになる。
西行さんも、同じく考えた。
「この先長い年月をどのように自分は送ろうか。
昨日見かけた人も今日はもういない世において。」
昨日見かけた人もそのときは、
「年月をいかで我が身に送りけむ」と考えていた。
でも今日まで命は続かなかった。
自分もきっといつの間にか消えていく。
会社の定年も同じようなものである。
昨日まで居た社員はもういない。
いつまでもあると思うな時間と命。
最近特に実感していることだが、
朝晴れていても昼から雨になることもある。
晴れているうちに散歩したり庭仕事はできる。
雨になってから、やればよかったと後悔する前に。
ものごと、できるタイミングは必ずある。
潮時といってもよい。
潮に乗れるか否かは自分の決意次第である。
西行さんの歌は、世の無常とともに
自己の無常を教えてくれた。
有無相生