◆老子小話 VOL 577 (2011.12.02配信)
天下難事、必作於易。
天下大事、必作於細。
(老子、第六十三章)
天下の難事は、必ず易より作(おこ)る。
天下の大事は、必ず細より作る。
12月になりました。
今年ほど、難事・大事の多かった年は
なかったのではありませんか。
3.11に天下の難事が起こり、その後
原発の放射能漏れに伴う農産物や水産物の
被曝という天下の大事に至りました。
「天下の難事は常に容易な所から始まり、
天下の大事は常に小さな所から始まる。」
震災予知は難しいですが、起きてしまったときに、
どう動けばよいか準備しておくのは容易です。
容易なことを怠ってパニックになるのが難事といいます。
大事は、最初から大事になる訳ではなく、
小事の積み重ねが大事を生む結果となる。
判断の遅れ、対処の遅れが被害を少しずつ大きくする。
原発の危うさは、核分裂という制御しきれないものを
扱う所にあると思います。
自然の中で常に起こる核分裂を人間が制御しようとする。
神業を目指す科学はバベルの塔の崩壊まで突き進むのでしょうか。
有無相生