◆老子小話 VOL 566 (2011.09.17配信)

君子求諸己。

小人求諸人。

(論語、衛霊公第十五)

 

君子はこれを己に求む。

小人はこれを人に求む。

 

孔子の教えを弟子がまとめた論語。

今回お届けするのはいまどきの言葉です。

君子は反省して自分に求めますが、

小人は反省せずに他人に求めます。

国民の政治不信の原因はどこにあったのか?

政治家のていたらく。

官僚の利権主義。

想定外の自然災害と原発事故。

政策がいけない、官僚がいけない、政治家が情けない。

いろいろと原因を外(他人)にまず求めるのが

小人(器の小さな人)だと孔子は言います。

アメリカから押し付けられたにせよ、日本国憲法には、

国の主権は国民であり、国民が公務員を選出し罷免する権利を

有すると書いてあります(第15条)。

公務員は本来政治家だけでなく官僚も含むでしょう。

つまり、誠実で信義を守る政治家や官僚を選ぶ権利を

行使してこなかった国民に、現在の政治不信の原因ありと

まず反省をしましょうというのが、「己に求む」です。

本当の民主主義を貫いているのは、原発を選択するかを

国民投票で決めていく国だと考えます。

国にとって重大な問題は政治の選択でなく、

国民の選択として決めていく国家が、

本当の民主主義国家でしょう。

週刊誌の見出しは、他責のオンパレードです。

国民の反省を求める姿勢があって、この国は

立ち直ると信じています。

 

有無相生

 

 

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