◆老子小話 VOL 564 (2011.09.03配信)

ほんとに国家のことを考えて

ガムシャラに邁進する様な人々が

指導者の地位に就くべきではないだろうか。

(白洲次郎、プリンシプルのない日本)

 

いまからほぼ60年前、戦後の政治に対し、

白洲次郎氏が語った言葉である。

「官僚全盛時代が長く続いたから、政党人の

考え方も余程官僚化して」(75ページ)、

「やることは大体に於いて総花式で、摩擦回避主義で、

(中略)たとえば災害復旧のための支出にしても、

あちらこちらと少しずつ出して何処も満足な

復旧工事は出来ない」(101ページ)。

「評判を気にしたり、みなに評判がよくなりたい様な

御歴々も多すぎる。」(101ページ)。

電気会社の経営も倹約して、無駄の排除をとことんやって、

消費者に納得してもらわなければいけないという(29ページ)。

戦後の荒廃からの復興と3.11被災後の復興と状況は似ているが

それに向き合う政治家と電力会社の姿勢は相変わらずである。

その原因はなんであろうか?

物事で一番大事なのはその事自体よりは、それが関わる原則で、

その原則を日本は持たないからだという。

この指摘がいまも当てはまる事に恥ずかしさを感じる。

原則を持って復興の道を愚直に進む政治を新政権に期待したい。

 

有無相生

 

 

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