◆老子小話 VOL 561 (2011.08.13配信)

Young men want to be faithful, and are not;

old men want to be faithless, and cannot.

(Oscar Wilde, The Picture of Dorian Gray)

 

若者は忠実になりたいと願うがそうではない。

老人は不実になりたいと願うがそうなれない。

 

暑い日が続きますが、皆様お元気ですか?

2週間分の原稿をしたためで、アイルランドを

車で個人旅行してきました。

アイルランドは緑の国で、涼しさと水の潤い、

そして太古の魂を楽しめました。

今回お届けするオスカーワイルドは、

イェイツ同様アイルランドの文人です。

若いときは恋人に素直になれず、つい自分の

気持ちと反対のことを言ってしまう。

それが最初の文句です。

Are notで終わっているので、素直(誠実)になるのは

不可能じゃないと意を込めています。

ところが、歳を重ねると、浮気をしたくても、

できなくなる。 不実は浮気です。

こんどは、Are notではなくCan notです。

ワイルドさんは何を言っているのかというと、

歳をとってくると経験を積んで、愛の哀しさが

わかってくるから、若いうちに無理に素直に

ならなくてよいと言っているようです。

浮気の結末まで見えてくるからできなくなる。

老荘的にいうと、誠実は不実の裏返し。

Scepticism is the beginning of Faith. (Oscar Wilde)

相手の愛を疑い始めると、誠実さが気になってくる。

 

有無相生

 

 

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