◆老子小話 VOL 555 (2011.07.02配信)

Yet nature is made better by no mean

But nature makes that mean.

何らかの手を加えて自然がよりよくなるとすれば、

その手を生み出すのも自然なのだ

(Shakespeare, The Winters Tale)

 

555回記念に格調高く、シェイクスピアのお言葉を。

自然に対極にあるのが人工です。

人工がいくら優れていても、自然にはかないません。

人造ダイヤより、天然のダイヤのほうが価値は高いでしょう。

でも人工だって自然が作り出したものといいます。

そういえばそうですね。

人間は自然の進化の産物です。

人工の元になる、人間の脳も昆虫の脳が進化したもの。

確かに自然の手になる脳でした。

しかし、人間の脳は自然に対抗できる唯一の手段です。

その証拠に、文明は自然を破壊してきました。

しかし、文明のお陰で人間は種を保ってきました。

そして人間は、自然を放射能や化学物質で汚染していては、

生き続けられないことを学びました。

人類が生き残るのか死に絶えるのか選択する力を人間に与えたのも

自然と考えると、シェイクスピアのお言葉は腑に落ちます。

小田島雄志氏の「シェイクスピア名言集」(岩波ジュニア新書)で

見つけました。

 

有無相生

 

 

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