◆老子小話 VOL 549 (2011.05.21配信)

父母之年、不可不知也。

一則以喜、一則以懼。

(論語、里仁第四)

 

父母の年は知らざるべからず。

一は則(すなわ)ち以って喜び、

一は則ち以って懼(おそ)る。

 

母の日は過ぎましたが、もうすぐ父の日です。

プレゼントは別にして、父母への気持ちは大事です。

と、孔子は論語で説きます。

「父母の年齢を忘れちゃダメである。

一つには、長生きを喜び、もう一つは老い先を気遣うことだ。」

長生きしようと思っても長生きはできない。

人の寿命を決めるのは天である。

長生きできたことは、本当にめでたいことである。

それを一緒に祝うことは、自分が老いても忘れてはいけない。

一方、老い先は自分の将来でもある。

自分が老人になったらしてもらいたいことを

父母が生きているうちにしてあげることである。

孔子の言葉に繋げるとすれば、次のようになる。

「父母は子供の成長を忘れてはいけない。

一つには子供を持てたことを喜び、

もう一つには、子供の未来に負担をかけないことである。」

こどもは天からの授かりものである。

子を持てた事に感謝し、子の未来が明るくなるように努力する。

それが父母の務めといえる。

原発の放射能で汚染された未来を残すのか?

借金で膨れ上がった日本を残すか?

国民が、父母も子供も、互いを思いやる気持ちが大切だと

孔子は教えているようだ。

子もいずれ老いて父母になる。

父母もいまあるのは、父母が子供の未来を考えたおかげである。

と考えれば、論語の言葉も理解できる。

 

有無相生

 

 

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