◆老子小話 VOL 519 (2010.10.23配信)

幻化空花、不労把捉

得失是非、一時放却。

(臨済録)

 

幻化空花、把捉を労せず、

得失是非、一時に放却す。

 

臨済禅師の言葉をまとめた「臨済録」

(岩波文庫)からのお届けです。

「夢まぼろし、空の花を取ろうと

無駄骨を折るな。

利害得失や是非善悪はいっぺんに

放り出せ。」

修行僧に向けて、「仏や法を求めて

動きまわっていても、つかめない。

求めなければ、目の前から、

霊妙な声が聞こえてくる。」という。

大切なものは身近にあり、遠くに

追い求めると却って遠ざかる。

この真理は我々の日常にも当てはまる。

幸せは、意外と身の回りに探せます。

老犬の散歩を見て、飼い主と犬の

ほのぼのとした触れ合いを感じる。

長年の人(犬)生の共有から芽生えた、

互いへの信頼感があふれています。

得だ損だ、いいの悪いの、って、

すべてを人間の価値で分けるのは

愚かなことである。

ネットの情報洪水から身を退かせ、

身の回りの自然に、是非を超えた

生の真理を見出してみましょう。

 

有無相生

 

 

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