◆老子小話 VOL 518 (2010.10.16配信)

道無横経 立者孤危

(雲門広録)

 

道に横経(よこたて)無し

立つ者は孤危なり。

 

今回は、「ちょっと困った時、いざという時の

禅語100選」(知的生きかた文庫、三笠書房)

から拾いました。

リスク管理の極意です。

「縦横に脇道のない一本道に立つ者は危ない」

見通しのよい一本道には落とし穴があります。

目的地に行くときには、縦横無尽の道が

あって始めて安心して進めます。

レアアース対日輸出停止で痛い目に会ったのは、

中国にほぼ100%輸入依存したためです。

まさに、一本道を進んでいたからです。

他国からも分散調達すれば、慌てることは無かった。

人と人のネットワークでも同じです。

面識の無い人に仕事を頼みたいときに、

その人に近づくルートを沢山持つ方が有利です。

側近に交渉するしかないのが一本道です。

側近に賄賂を贈り接待し最後にふられるのが落ち。

それよりも、交友関係や近親から近づくのが、

縦横の道(ネットワーク)です。

日本が外交に弱いのもアメリカ頼みの一本道のため。

今回の禅語は、唐代中国の禅僧のものです。

中国の遺産から学ばず、中国に苛められる日本。

西欧文化に目を奪われてきたつけが回ってきたのか?

複雑な思いがする。

 

有無相生

 

 

戻る