◆老子小話 VOL 513 (2010.09.11配信)

人が生まれたときには、

実に口の中に斧が生じている。

愚者は悪口を言って、

その斧によって自分を斬り割く

のである。

(ブッダのことば)

 

中村元氏の「ブッダのことば」(岩波文庫)の

「コーカーリヤ」より拾いました。

「口はわざわいのもと」と言いますが、

まさか、斧が口にあったとは知らなかった。

ひとの悪口をいうのは、そのひとを

傷つけるだけでなく、自分をも傷つける。

「コーカーリヤ」には、生前悪事を働くと

地獄に堕ち、耐え難い苦しみを味わうと

いうことが書かれている。

子供のときに聞かされた地獄をそこに見る。

自分の犯した業は滅びることなく、地獄で

自分に帰ってくる。

現世で裁かれない罪も来世で必ず裁かれる。

信じるか信じないかは別にしても、

昔は、地獄がモラルの支えになっていた。

それにしても、政治家ほど、斧の使い方に

長けた人間はいない。

国民は、政治家の口に惑わされずに、

何をやってきたかで判断したい。

「政治とカネ」で他人を追及した斧を

自分には振るわない。

地獄に堕ちたら、舌どころか腸ごと抉られるかも。

 

有無相生

 

 

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