◆老子小話 VOL 510 (2010.08.21配信)
腹が減ると肉体は精神となり、
腹がふくれると精神が肉体となる。
(ペルシャのことわざ)
晴山陽一さんの「思わずニヤリとする言葉」
(青春出版社)より、ニヤリとしたのを選んだ。
他にも沢山あるので、興味があったら是非。
確かに腹が減ってくると、身体でモノを考える。
空腹でもカネが無ければ、美味いものを
思い浮かべて、腹の足しにする。
うなぎ屋の前で、蒲焼のにおいを臭いで、
うなぎを食った気になる。
鼻と胃袋が、満腹感という精神になる。
一方、腹が一杯になれば頭がよく働くかと
いうとそうでもない。
腹がふくれると眠くなり、精神の働きは衰え、
肉体そのものと成る。
老子は、「足るを知る(知足)」を教える。
食べることは生きるために欠かせない。
飢餓に陥ると、他人の生より自分の生を優先する。
だから、理性が働くには或程度の食事が必要である。
しかし、飽食は理性を狂わせる。
精神は肉体とのバランスで機能するのが知足である。
ペルシャの知足の教えは、哲学的表現である。
有無相生