◆老子小話 VOL 492 (2010.04.17配信)

退屈は人生最大の楽しみとなるだろう。

(池田清彦、「他人と深く関わらずに生きるには」)

 

今回は、池田清彦先生の本からお届けします。

本(新潮文庫)の題名からして、ショッキングだが

読むと当たり前のことをストレートに語るので面白い。

「人はなぜ楽しみを求めるのだろう?」と問いかけ、

「それは退屈だからだ」と答える。

朝から晩まで仕事をしているひとは、

食べることと寝ることが楽しみとなる。

この二つは自分の生存にとって最後の条件となる。

一日の生活時間で、仕事と寝食の時間を除くと、

残りは自由時間となる。

そこで、何をすればよいか考えることになる。

テレビを見たり、ゲームをしたりと、

退屈な時間の過ごし方に迷うことになる。

そこで、先生は妙案を考えた。

退屈を楽しみに変えられれば、問題は解決すると。

ぼけーっとする時間を楽しめば、

退屈することはなくなると考えた。

朝早く起きてから世間が動き出すまでの

周囲の変化を観察するだけでも日々変化がある。

なるほど。

自然の変化、日常生活の中の変化をすること。

まさに、徒然草の世界こそ、最高の楽しみだと

いうことに気付かさました。

 

有無相生

 

 

戻る