◆老子小話 VOL 485 (2010.02.27配信)
奢則不孫、倹則固。
與其不孫也寧固。
(論語、述而第七)
奢れば則ち不孫、倹なれば則ち固(いや)し。
其の不孫ならんより寧ろいやしなれ。
今回は、孔子の教えです。
贅沢していると不孫(不遜)=尊大になり、
倹約していると頑固になる。
でも、尊大よりは頑固の方がよい。
今のデフレでは倹約より贅沢の方がよいのでしょうが、
贅沢していると心までが尊大になるのです。
富者が貧者の気持ちを忘れることがいけないのです。
贅沢をするくらいなら、寄付をして困っている人を
手助けすれば、心の驕りはおさめられます。
日本が心豊かな国になるには、経済的基盤は大切ですが、
モノへの消費からサービスへの消費に、
国民がもっとお金を使う必要があるように思います。
海外市場にはモノづくりが欠かせませんが、
国内市場は、節約に役立つモノしか売れないようです。
エコカーがガソリン節約、ヒートテックが暖房節約、
LED照明が電気代節約のように。
わたしの大好きな本は、積読だとモノですが、
知的向上サービスと考えると、もっと売れてもよい。
介護・育児サービスとか、教育サービスとか、
ひとの心を豊かにするサービスが高く評価され充実すれば、
モノや食費を倹約したお金をこちらに向けられます。
「コンクリートから人へ」はこの流れじゃないでしょうか。
何のために制度を改革して技術を発展させるかというと、
国民の心を豊かにするモノやサービスを提供するためでしょう。
有無相生