◆老子小話 VOL 484 (2010.02.20配信)
其知之也。似不知之也。
不知而後知之。
(荘子、徐無鬼篇)
其の之を知るや、之を知らざるに似たり。
知らずしてしかる後之を知るなり。
先週、ボブ・ディランの歌「風に吹かれて」で
答えは風に舞っているといいました。
荘子は、答えを得たと思っても、
それは知らないことと同じだといっています。
答えじゃないことがわかって初めてそれがわかる。
荘子が求める答えは「道」ですが、
われわれが探す答えは、幸せとか平和だったりします。
時と場所によって状況は変化し、
答えも状況で変わります。
答えは一つじゃないかもしれません。
でも答えを出したら、前に一歩進んでみることです。
「知らずしてしかる後」とは、一歩前に踏み出した後です。
進まなければ、それが答えじゃないこともわかりません。
風を前にたじろぐのではなく、風に舞って進むことです。
今の日本の政治経済も、風に舞っている状況です。
大阪府では「ぎょうさんこうたろう!商品券」が売り出し中。
消費に活力を与える一つの答えです。
たじろがず一歩踏み出す勇気が大阪府にはあるようです。
地方から風が吹けば国が舞うような気がします。
有無相生