◆老子小話 VOL 482 (2010.02.06配信)

我々の大半は、掛け値なしの困窮から

災難一回分隔たっているにすぎない。

いくつかの災いが続けば破滅だ。

(ポール・オースター、「折々の文章」)

 

一年のうちで一番寒さが厳しい時期です。

昨夜は寝床が冷え切って、なかなか暖まらず

深夜まで寝付けませんでした。

皆様もお体にお気をつけください。

今回も、小川洋子さんに誘われてオースター

の「トゥルー・ストーリーズ」(新潮文庫)に

行き着きました。この本の319ページの言葉です。

オースターは、自身がその日暮らしの困窮を

経験した作家なので、ホームレスに対する思いやりを

忘れない。「不運はいつでも、誰にでも訪れうる。」

自分がその身になったときを思い浮かべ、

助けを差し出そうという。

9.11だってハイチの地震だって、自分が遭遇すると

誰が思ったであろうか。

 

有無相生

 

 

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