◆老子小話 VOL 475 (2009.12.19配信)

知其雄、守其雌、

為天下渓。

(老子、第二十八章)

 

その雄を知りて、その雌を守れば、

天下の渓(たに)となる。

 

今の世の生き方を老子は示唆してくれます。

老子の言葉は、暗示的なので

そのまま読むと意味がわかりません。

渓(谷)とは、深い割れ目の底を流れる水を

指します。老子にとって「水」は、

生命の源で、生きる道を象徴します。

低い所に居ながら誰にも気付かれずに、

人々を支える生き方を求めます。

雄とは、強さたくましさ(剛強)であり、

雌とは、弱さ優しさ(柔弱)である。

老子には、雌は雄より優れているという

考えがあります。

フレキシブルな生き方のほうが、

融通のない生き方より無理がないので、

長続きするというものです。

車で言えば、ハイブリッド車のようなもので、

ガソリンにこだわらずに、電気をたまには

利用して、少ない燃料で長く走るものです。

今の政権なら、マニュフェストにこだわらずに

国民生活を第一に、てきぱきと政策を打つこと

じゃないかと思います。

柔弱といっても、優柔不断で先送りするのは

困ります。水のように常に動いて、弱者を

助けなくては、次の選挙で負けるでしょう。

 

有無相生

 

 

戻る