◆老子小話 VOL 452 (2009.07.11配信)

Anger is always fear,

and fear is always fear of loss.

(Richard Bach, Messiah’s Handbook)

 

先週に引き続き、リチャード・バックさんの

言葉を紹介します。

怒っている人は、何かを恐れている人です。

その恐れは、何かを失う恐れです。

愛する人を失おうとしている人は、

喪失の原因に対し、怒りを覚えます。

相手の浮気、その相手を誘惑した人に対し。

他に、富や地位を失う人、既得権益を失う役人、

政権を失う政治家などなど。

自分のしてきたことを棚に上げて、

周りの人や環境に対して怒りを覚えます。

反対に、失うものが何も無い人は怒りを覚えません。

だから、こだわりの無い人は強いのです。

どのような境遇に置かれても生き延びます。

怒りで身をすり減らすことはありません。

「あきらめる」は、「明らかにする」ことであり、

こだわりを捨てることです。

つまり、自分がこだわっていたものを明らめれば、

こだわりを捨てることができます。

常ならむものへのこだわりを「あきらめた」とき、

無常感が芽生え、戦争の源になる「怒り」も

鎮まるのではないでしょうか。

とすると、リチャード・バックさんの言葉は、

あきらめに基づく不戦の教えといえそうです。

 

記:有無相生

 

 

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