◆老子小話 VOL 448 (2009.06.13配信)

天下有大戒ニ。

其一命也。 其一義也。

(荘子、人間世篇)

 

天下に大戒ふたつあり。

そのひとつは命なり。

そのひとつは義なり。

 

この世の中で戒めなきゃいけないものが2つある。

一つは運命であり、もう一つは義理である。

運命は、親子の関係のように天が決めた道であり、

義理は、君臣の関係のように自分が決めた道で、

信念で突き進む道である。

くしくも郵政人事問題で鳩山総務相が更迭された。

最後まで自分の義に徹した大臣だった。

鳩山大臣は、国民の財産を叩き売ろうとした

日本郵政の長に対し経営責任を問い、

国民に対し義を通した。

しかし、盟友を総理に持った自身の運命に従い、

辞任した。「正しい道でも通らないことがある」と。

麻生総理は、国民への義よりも政権維持のために、

大臣を切り捨てた。

総理の義は、党や大企業のための義である。

そもそも自民党の基盤は官僚優遇の愚民政治だから、

総理は党の命に従ったまでのことである。

愚民の人気をいちいち気にしていたら、

国の存立基盤までがおかしくなると。

いずれの側も大戒の教えを守っている。

では、愚民たる国民は何をすべきでしょうか?

小さな義を集めて大きな義にするしかありません。

愚民を命とする今の政治から脱却するには。

 

記:有無相生

 

 

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