◆老子小話 VOL 445 (2009.05.23配信)

無風月花柳、不成造化。

無情欲嗜好、不成心体。

(菜根譚)

 

花柳風月なければ造化を成さず。

情欲嗜好なければ心体を成さず。

 

花柳風月で、自然が形成されるように、

欲情と好き嫌いで、ひとの心は形成される。

欲情が沸き、好きと嫌いが生まれるのは、

自然な心の働きである。

それらの感情を押さえ込むと

心そのものがおかしくなる。

感情の流れを川に喩えるなら、

川の流れに乗って舟を操るように

自らを動かしていけば、楽に生きられる。

流れに逆らえば、疲れてしまう。

流れるままに何もしなければ、

最後に岩に激突する危険もある。

最後に力尽きてしまう。

実際に渓流下りを見れば、舟は右往左往する。

場所が変われば、流れの方向も速さも変わるからである。

舟からは、周りの山の景色は後方に流れて見える。

川の流れは止まって見える。

道元さんの「山は流れて水は流れず」のようです。

でも、花鳥風月(自然)に遊び、それを超えていく心が

老荘の心です。

「山は流れて川も流れる」でしょうか。

 

記:有無相生

 

 

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