◆老子小話 VOL 444 (2009.05.16配信)

曲則全。枉則直。

(老子、第二十二章)

 

曲なればすなわち全く、

枉なればすなわち直し。

 

曲がっていることが完全であり、

曲げたものはまっすぐになる。

荘子の山木篇にも出てくるが、

曲がった木は材木にできず、

いつまでも伐採されずに天寿をまっとうできる。

芋虫は身を曲げるから前に進むことができる。

近道狙う人生よりも、紆余曲折の人生の方が、

振り返ってみて面白い。

手間をかけずに効率よく目標を達成するには、

最短距離をとるのは当たり前である。

でも、今の世の中、コンピュータで効率化を進めた結果、

仕事が奪われ、却って暮らしにくくなってしまった。

国はあい変わらず、道路を沢山作り、車を沢山走らせ、

多額の借金と引き換えに景気をよくしようとする。

官僚が愚かなのか、政治家が無能なのか、

長期的展望なしの政策が続き、国民の不安は募る。

年金制度の破綻、少子化と自給農業に対する無策。

効率と成長を優先した直線的な政策の結果である。

直則不全とでも言えようか。

回り道のように見えても、暮らしを一番大切にする

民主党の政策に期待したい。

果たして、その代表は本日誰に決まるのでしょうか。

 

記:有無相生

 

 

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