◆老子小話 VOL 443 (2009.05.09配信)
不是風動、不是幡動、不是心動。
(無門関、非風非幡)
是れ風の動くにあらず。
是れ幡(はた)の動くにあらず。
是れ心の動くにあらず。
今回は禅問答のようなお話です。
答えは皆さんがお考えください。
二人の修行僧が、幡(旗)がたなびくのを見た。
一人が、「旗が動いている」と言うと、
もう一人が「いや、風が動いているからだ」と言い、
お互いに譲らないのを見ていた高僧(六祖慧能)が、
「それはお前たちの心が動くからだ」と言った。
ぞっとした二人に対し無門は上の言葉を言った。
「心も動かない。慧能さんの言葉の意味することが
わかったら、君たちは、鉄を買いに出かけた人が
金を得るようなものですよ」と。
高僧の慧能ですら、二人を見て心が動いてしまった。
風とか旗とか心とか、一箇所に原因を見るのでなく、
全体をありのままに捉えるのが大事じゃないかと
言おうとして、つい心が動いてしまった。
そんな慧能さんを思い浮かべました。
皆様はどのようにお考えですか。
新型豚インフルエンザで世の中大騒ぎです。
流行の原因は、せきにより風が動いたからか、
人が世界中で動いたからか分かりませんが、
心だけは動かないようにいたしましょう。
記:有無相生