◆老子小話 VOL 440 (2009.04.18配信)

惟江上之清風、

與山間之名月、

耳得之而為声、

目遇之而成色、

取之無禁、用之不竭、

是造物者之無尽蔵也。

(蘇東坡、前赤壁賦)

 

ただ、江上の清風と山間の月とは、

耳 之を得て声を為し、

目 之において色を成す。

之を取れども禁ずる無く、

之を用うれども尽きず。

是造物者の無尽蔵なり。

 

今回は、公開中の「レッドクリフPART2」に捧げます。

蘇東坡が赤壁の戦いに思いを馳せ詠んだ詩(抜粋)です。

川の上を流れる風と山間の月は、

大昔から今に至るまで変わらず存在している。

しかし、風は常に流れを変え、月は満ち欠けし

一定しているものはない。

ひとは、この大自然の恩恵の中で生きている。

風のひょうひょうとする音に耳をすまし、

山かげに浮かぶ月を眺めれば、感動は尽きない。

些細なことで思い悩む日常から離れ、

大自然の幽玄の中に身を置けば、

己の身のほどがわかるとこの詩は教えてくれる。

赤壁を舞台に三国が争ってみたって、

いずれどの国も滅ぶことは歴史が証明している。

長大な歴史を有する中国から学ぶ機会は

多いと思います。

 

記:有無相生

 

 

戻る