◆老子小話 VOL 439 (2009.04.11配信)

君子之徳風也。

小人之徳草也。

草上之風必偃

(論語、顔淵第十二)

 

君子の徳は風なり。

小人の徳は草なり。

草、これに風をくわうれば、

必ず偃(ふ)す。

 

「道にはずれた人を殺して道を守らせれば、

政治はよくなるか」と聞かれたときの孔子の言葉です。

草が風にあたればなびくように、

君子の行いが手本となれば、民はこれに従う。

湯浅氏の近刊「諸子百家」(中公文庫)のなかで、

「君子とは誰か」を論じています。

天から政治を任された王様とふつう思いますが、

王様に政治の道を説く参謀(孔子を含む)であり、

今なら、内閣であり、それを補佐する官僚になるようです。

小人は、政治を行う対象の民であります。

草だから、政治次第で右にも左にもなびく存在です。

定額給付金を受ければ、政治のお陰と

内閣支持率を上げるので、麻生首相も

小人の気まぐれなど気にしないと言いはります。

老子は、「草(柔)はしぶとい」という。

だまされ、あざけられ、踏みつけられても、

再び起き上がる強さ(剛)を持っている。

世の中の風がどう吹こうが、なびかず、

耐え忍ぶマインド(胆)がある。

税金をばら蒔いて風を吹かせようという君子に対し、

あなたは、孔子・老子のどちらの草になりますか。

 

記:有無相生

 

 

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