◆老子小話 VOL 437 (2009.03.28配信)
不知處陰以休影。
處静以息迹。
(荘子、漁父篇)
陰に処りて、以って影を休め、
静に処りて、以って跡を息むるを知らず。
自分の影を恐れ、足跡をいやがり、
必死に逃げようとして最後に息尽きた男の話。
自分の影も足跡も、どんなに速く走ろうが
ぴったり後ろをついてくる。
でも、日陰に入れば影は消え、
じっと止まっていれば足跡はつかない。
影も足跡も、結局自分の動きが作るもの。
悩みも心配も、影や足跡と同じじゃありませんかと、
荘子は言う。
日向を歩けば自分を追う者は増え、
懸命に走れば背負う物も増えてくる。
悩みも心配も、自分の動きが作るもの。
先ずは心身の動きを止めて、
空っぽになれば自分が見えてきます。
人間って、苦境に陥ったとき、
周りに原因を求めますが、
原因は必ず自分の内にもあるはずです。
それが見抜けないと、また同じ苦境に出会います。
今回のWBCでは、あのイチローも悩みました。
苦境から何を学んだのでしょうか?
記:有無相生