◆老子小話 VOL 434 (2009.03.07配信)

鶯の 枝ふみはづす はつねかな

(蕪村)

 

暖冬で桜の開花は例年より早いそうですが、

小生は、鶯の初音すらまだ聞いていません。

蕪村の句は、ほのぼのとしたところがあります。

それに、音声を含む映像の面白さがあります。

起承転結というか、結果をまず見せて、

時間を元に戻していくという面白さです。

絵描きというよりか、まさにビデオ・アーティストですね。

うぐいす自身は、初音を披露しようと、

気張って梅の小枝に留まったものの、

足がすべって落ちそうになる。

そんなずっこけた状況ですから、

「ほーほけきょ」というゆとりの初音ではなく、

「ほーけきょ」と声がつづまってしまったのでしょうか。

うぐいすがどうして足をすべらせたのかは

わかりませんが、その声の滑稽さから、

遠くで聞いていた蕪村は、

きっと足をふみはずしたのだろうと思ったのでしょう。

そんなに慌てなくともいいよ。

体勢を整えてから鳴けばよいものを。

この鶯から、衆院選挙に臨んで

足を踏みはずしそうな小沢代表を

想像してしまいました。

鶯の顔を代表の顔に置き換えると、

結構笑えるビデオアートになりそうです。

民主党応援の方、冗談をお許しください。

 

記:有無相生

 

 

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