◆老子小話 VOL 433 (2009.02.28配信)
有君臣、然後有上下。
有上下、然後礼儀有所錯。
夫婦之道不可以不久也。
(易経、周易序卦伝)
君臣有りて、然る後上下有り。
上下有りて、然る後礼儀錯(お)く所あり。
夫婦の道は、以って久しからざるべからず。
君臣があるから上下関係ができる。
上下関係があるから、
礼儀が役立つ所がある。
夫婦の道は、長く続かないはずはない。
天地から男女が生まれ、男女から夫婦が生まれ、
夫婦から父子が生まれ、父子から君臣が生まれる、
という前置きがあります。
昔は父系社会だったので、夫婦も上下関係でした。
ということで、社会関係を「夫婦の道」とよび、
秩序維持には礼儀が役立つといった。
今の世の中、すべて上下関係にあるとは言いませんが、
社会関係の潤滑剤は「礼儀」だと言えそうです。
礼儀は、人間が長い歴史の中で培ってきた
人間関係の作法です。
目上の方や仲間に対する口の聞き方、挨拶など、
心のちょっとした触れ合いのための形式として、
今のぎすぎすした時代には必要かもしれません。
どんな間柄でも、例えけんかのときでも、
礼儀を守らないと、修復の入り口に立てません。
記:有無相生